アナザーストーリーズ 運命の分岐点 「スティーブ・ジョブズ~伝説の14分12秒~」

アナザーストーリーズ 運命の分岐点 「スティーブ・ジョブズ~伝説の14分12秒~」

ナビゲーターに「あの」沢尻エリカさんが!
そう聞いた時、スティーブ・ジョブズの「あの」側面がもっとぐっと描ける、と胸躍りました。
映画やマンガではとかく強調されるジョブズのウラの顔…
傍若無人。唯我独尊。罵詈雑言。厚顔無恥。
これまで遠慮して? 日本のドキュメンタリーではあまり描かれなかった、
その側面も逃げずに描こう。
挑んで闘って乗り越えてきた沢尻さんのカッコ良さに応えよう。
そんな勇気を新ナビゲーター決定の報に頂いて、挑んだアメリカ取材。

…取材先で、でるわでるわ被害報告。
被害受けた本人の証言ですから生のディティールが根深い。
やっぱりそういう人だったのね…と思いながら、
同時にあらためて感じたのは、彼が、世界を確実に変えたということは、
「被害者」の誰もが認めること。

“マジですごいものを作るんだ”
“宇宙をちょっと歪ませてやろうぜ”
そんな中2な目標を、口だけではなく本当に果たしてしまった彼。
その原動力となった、圧倒的な「熱」を、取材相手の証言を通じてでも、
「熱過ぎる!」と感じるほどに感じました。

そんな、ジョブズが主人公の今回。
テーマは2005年6月12日、スタンフォード大学卒業式で行われたスピーチ。
Stay Hungry, Stay Foolish. で締めくくられたあの14分は、
自分で訳してみたと言う人が僕の知っているだけで5人くらいいる、まさに伝説のスピーチ。
プレゼンでは原稿をいっさい見ない彼が、この言葉だけは逃すまい、と
一単語・一文しっかり話したこのスピーチは、それだけ聞いても心を揺さぶるものですが、
取材相手の証言を通じて聞き直してみると、
ワンフレーズの裏に光と影、両方の意味が煮詰まり、
彼の煮えたぎるような熱がグツグツと感じられるものになりました。

こんな人が近くにいたら熱過ぎて嫌になる。
こんな人と仕事したら焼け死んでしまう。
そう思いつつも、ただ逢ってみたいというより、仕事がしてみたかった、と思わせる男でした。
ご高覧ご期待します。
(阿部 修英)

ナビゲーター

沢尻エリカ

ナレーション

濱田 岳

演出 

阿部修英

演出補

葛谷朱美

プロデューサー

高城朝子

ゼネラルプロデューサー

田中直人