「世界ふしぎ発見！」は1986年4月19日の初回放送以来、30周年を迎えることが出来ました。30年を超え最初の収録だった4月21日、砧にあるスタジオで、草野さん、黒柳さん、野々村さんに、重延GPを加え記者会見を行いました。芸能界で派手なニュースが駆け巡る時期、来て下さる記者の数は10名いけばいいと思っていました。ところが、当日参加して頂いたのは30名以上！スタッフが椅子を追加するのにおおわらわでした。でも、冷静に考えてみると…。30年も土曜日のゴールデンタイムに番組を続けてこられたことが如何に凄いことなのか、ある意味、奇跡的なことなのか。記者の数の多さで、逆に、気づかされました。支えて頂いた皆さんに改めて感謝です。

その時重延さんは、初回の台本を持ってこられました。よくも大切に取っていた物だ！とまずは、驚き。でも、それ以上に驚いたのは、台本の印刷の仕方です。当時、パソコンはありません。台本はガリ版（謄写版）で印刷されていました。蝋の塗った薄紙を、やすりの上に置き、鉄筆で文字を書き印刷機に掛ける方法です。19世紀の発明だそうです。ページをめくり、長い月日の経過を感じました。30年前、僕は初回のロケADでした。まず、エジプトに行き、その後、別のロケに直ぐ出発し、初回のスタジオにはいなかったように記憶しています。エジプトでは偶然クーデターに遭遇しました。後発隊に知らせるべく、日本と連絡しようと思っても国際回線が繋がらない。今なら、自分のタブレットからメールで直ぐにきることですが、ホテルのビジネスセンターで1時間も並んで、「テレックス」というのでやっていました。「ガリ版」も「テレックス」も若いスタッフは聞いたこともないでしょう。では、次の30年後、テレビの現場はどんな風に変わっているでしょうか？そんなことを想像しながら、新たな出発をしたいと思います。
（佐藤寿一）

司会　　　　　　　草野仁
レギュラー解答者　黒柳徹子　野々村真
アシスタント　　　出水麻衣（ＴＢＳアナウンサー）