情熱大陸 「サックス奏者・上野耕平」
制作中の「気づき」の大切さを再確認した取材でした。今回上野さんのご実家にお邪魔したとき、祖父の三安(みつやす)さんのところにも寄らせてもらいました。そのとき、去年暮れに発表した新アルバムを毎朝聴いているという話題に。もうすぐ90歳になられるそうですがカクシャクとして、冗談好きな様子。「最後の曲を聞いていると、棺桶の中から見る光景が思い浮かぶ」とおっしゃったとき、場はワッと盛り上がりました。
後日、その場面をラッシュしていると、なぜか心が動かされている自分がいました。改めて考えると、小さい頃から成長をみてきて、大きくなって演奏者として認められ、好きな曲をサックスで吹いている孫。齢90歳、目が覚めると毎日孫の演奏を聴く、その中で言及した曲なのです。その曲はバッハのシャコンヌでした。改めて聞いてみると、曲の熱量がすごい。「上野耕平さんを描くには、これだ」と気づきました。そして、番組の主軸におく演奏曲となりました。ということで、放送では登場なさいませんが、大切な人、祖父・三安さんにこの番組を捧げます。(下口谷 充)
ナレーション:窪田 等
演出・プロデューサー
下口谷 充
構成
浜田 悠
撮影
森屋 進
門脇妙子
音効
早船麻季
プロデューサー
中村 卓也(MBS)
石原 徹
チーフプロデューサー
越智 暁(MBS)