食彩の王国 2016年5月

食彩の王国 2016年5月

 「収穫が一番楽しい」とは、ある農家の言葉。その収穫を迎えるまでにどれほど地道で誠実な仕事を重ねてきたのかと思うと、その最良の時期に快く立ち合わせてくれる生産者の方たちにはただただ頭が下がる思いです。
 数ある取材の中でも忘れられないのが、荒れる日本海の松葉ガニ漁。
荒れ狂う波に負けじと網を引き上げる漁師達の奮闘を収めようとしたその時、
私は船酔いで甲板に昏倒して潰れていました。荒れる海を進む船中では、横になっていても大波に揺られて身体が宙を舞います。せめて漁師さんの邪魔にならないよう、ポールに必死にしがみ付きながら横目で水揚げされるカニを眺めていたのでした・・・「板子一枚下は地獄」。冷たく荒れる海から、美味しいカニを届けてくれる姿に感動します。
生産者の方の収穫作業をわが身に置き換えてみるならば、さしずめ仕上げの編集作業でしょうか。その編集について、事情も知らない第三者にあれこれ質問攻めにあった挙句、四六時中密着されると妄想してみると・・・
「今回の撮れ高はどうですか?」「そこにイン点アウト点を打つ意味とは?」・・・
『もう、帰ってもらえませんか・・・』と思わず悲鳴をあげたくなるでしょう。
それを考えただけでも、ますます励まずにはいられません。
(前夷里枝)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    OA日     テーマ     担当D
#627 5月 7日 : 春キャベツ   ※VIVIA 
#628 5月14日 : あさり     ※VIVIA
#629 5月21日 : マッシュルーム 細村舞依
#630 5月28日 : 豚ロース    ※VIVIA

5月のテレビマンユニオン 担当回は・・・ 

『めざせ2020年!五輪を彩るマッシュルーム物語』 
「菌活」という言葉をご存知でしょうか。
身体に良い働きをする菌を、積極的に食事から取り入れる習慣のことで、健康と美容に気遣う人たちの間に話題になっています。そんな菌活女子たちが集う店が、原宿の裏道にあるマッシュルーム専門店、「マッシュルームトーキョー」。中でも、顔の大きさほどもある”ギガマッシュ”からあふれ出る濃厚なエキスは、まさに”出汁の泉”。売り切れ必至の人気ぶりです。
度々、ブームを呼び起こす魅惑のマッシュルーム。ロック界の定番ヘアスタイル、マッシュルームカット流行の火付け役と言えば、あのビートルズですが、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ来日の少し前に、実は最初のマッシュルームブームが訪れていたのです。きっかけは、1964年の東京オリンピック。その裏には知られざる、ある農家のドラマがありました。
「みんなで見る夢は現実になる」と語ったのは、元祖マッシュルームカットの1人、ジョン・レノン。マッシュルームが叶える、2020年に向けた大きな夢とは。ぜひご覧ください。
<鴨下満>

プロデューサー

土橋正道

ディレクター

前夷里枝
細村舞衣
植田裕久
橋本倫
永田暁児 
田中由美
阿部賢実
岸元美江

リサーチ

北口由子

アシスタントディレクター

徳丸あす香
細村舞依
鴨下満
間宮圭次郎