食彩の王国 2018年9月の放送

食彩の王国 2018年9月の放送

からまつの林を過ぎて からまつをしみじみと見き。白秋の時代も遠くなったが、標高1000m前後もある夏の軽井沢の気持ちよさは変わらない。明治19年、カナダの宣教師が避暑のために訪れ、友人や知己にその素晴らしさを伝えて以来、外国人の避暑地として発展した。彼らは自分たちが食べる野菜の種を持ち込み、近隣の農家に育ててもらった。最初はオランダ菜(キャベツ)に始まり、オランダミツバ(セロリ)、オランダゼリ(パセリ)、タマチシャ(レタス)、ミズカラシ(クレソン)なども育てられるようになった。それが高地特有の気候とマッチして、高原野菜というジャンルを生み出した。昼の日照で十分光合成して栄養を蓄え、朝晩の冷え込みに耐えて糖度を増す。また、霧が多く発生するので水分補給にも都合がいい。戦後広まったものには、ショクヨウダイオウ(ルバーブ)がある。繊維質の多い葉柄をジャムやコンポートにするので、スイーツなどで知らずに食べているかもしれない。軽井沢で涼んだら、食材の裏側に歴史と人と努力が隠れていることを、旅の楽しみの一つに加えてください。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    O.A.  テーマ   担当ディレクター 
#744 9月 1日 かぼちゃ   ※VIVIA
#745 9月 8日 タコ     鴨下満
#746 9月15日 鶏肉     ※VIVIA    
#747 9月22日 伊勢海老   間宮圭次郎
#748 9月29日 ナス     ※VIVIA

9月のテレビマンユニオン担当回は・・・

#745 タコ 
今年6月に「潜伏キリシタン」が世界文化遺産に登録され注目を浴びる天草。その天草でいまが旬の食材と言えば「タコ」です。宇宙人と見紛えるような姿の干しダコや、宣教師たちの故郷ポルトガルの味を思わせる郷土料理。更に、ポルトガル料理のアイデアから新たな名物料理を作ろうとする老舗旅館の主人の挑戦…。タコが織りなす食文化に目が離せません!そして昭和38年、絶滅の危機に瀕していた明石のタコを救ったのは何と天草のタコだった!?
当時を知る漁師の声を通して天草と明石の絆に迫ります!
(島越 翔平)

#747 伊勢海老
肉厚でプリプリの身に濃厚なミソ・・・この時期漁の最盛期を迎えているのがイセエビです。 
今回の舞台は太平洋に突き出した千葉県房総市。沖合を流れる暖流と隠れ家となる広大な浅瀬が豊かな漁場を育みました。地元では、刺身・しゃぶしゃぶ・具足煮など、大切に食べられてきました。そんな理想的な環境の中、店主が自ら捕るイセエビを丸ごと使った自慢のラーメンが登場!スープはなんと6時間かけて煮込みます。そして、イセエビを始め海鮮をふんだんにあしらった“王様丼”とは?さらに料理旅館“政右ヱ門”の料理長・堀江洋一さんには、具足煮を通した親子の物語が!その堀江さんが、イセエビを通じて命を頂くありがたさを子供たちに伝えます。
地元の方々の“イセエビ愛”たっぷりお楽しみください。  
(中村 朱里)

プロデューサー

土橋正道

アシスタントプロデューサー

平田早季

ディレクター

細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
橋村知曉
橋本倫
徳丸あす香
鴨下満
間宮圭次郎

アドバイサー

吉田夕日

アシスタントディレクター

島越翔平
中村朱里