
ディレクター / プロデューサー / 副会長 白井 博
23歳、大学在学中にテレビマンユニオンに参加。
「立体テレビ・オズの魔法使い」や「アメリカ横断ウルトラクイズ」で演出。1989年から始まった「地球ZIGZAG」ではプロデューサー、その後「世界ウルルン滞在記」、「吉田拓郎のYOKOSO」などのプロデューサーを担当。その他、ドラマ作品多数。
思えば海外取材の番組ばかり作ってきました。「アメリカ横断ウルトラクイズ」とか‥。皆さんが知っている番組で言えば「世界ウルルン滞在記」あたりかなと思います。ウルルンは「秘境」の取材で有名になりましたが、実は僕はクレジットカードの通用しない所には行きたくありませんでした。ディレクターは実際に現地に取材に行かなければなりません。だからウルルンではプロデューサーをしていました。
二十代の頃はパリに行きたかったので、フランスの企画ばかり考えていました。パリは詳しいです。パリの地下鉄の回数券はいつも持っています‥。
テレビマンユニオンではプロデューサーは「役職」ではありません。プロジェクトにおける「役割」に過ぎません。プロデューサーをやったり、ディレクターをやったり、時にはカメラマンをしたり、その都度自分の意思で決めていいのです。
さて、プロデューサーとは何をする人か?
人が3人以上集まって何かを始める時、リーダーが必要になります。それがプロデューサーです。プロデューサーは「ゼロ」から何かを作り出す人でもあります。プロデューサーには大きな仕事と小さな仕事があります。小さな事とはお弁当の心配とか、ギャラの伝票を書くとか。つまり雑用の類いです。大きな仕事とは企画プロモート、キャスティング、予算管理などです。そして、プロデューサーの仕事に大事な事がふたつあります。
対外的責任をとる。コンセプトを守る。
対外的責任とは文字通り外部(放送局、代理店、芸能プロダクション、視聴者対応など)にテレビマンユニオンを代表して対応することです。番組を成功させ、みんなを笑顔にすることです。また、問題が起きた時、トラブルを解消し、一身に責任を負うことです。コンセプトを守るとは、何か企画の発想が生まれたとしましょう。すでにその時、誰に出てもらうか、どんな取材をするかという内容まで踏み込んで考えています。そしてそれを「どのように語るか」と戦略を立てます。一番大切にしなければならないのが、この「どのように語るか」というコンセプトです。コンセプトがぐらつくとテーマが曖昧になってしまいます。プロデューサーは外部やスタッフと論争になってもコンセプトを死守しなければならないのです。