非破壊検査PRESENTS 復興せよ!後藤新平と大震災2400日の戦い

非破壊検査PRESENTS 復興せよ!後藤新平と大震災2400日の戦い

 2012年1月、東日本大震災から初めてのお正月を迎えます。被災地の一日も早い復興を祈って、この番組をお届けします。

 1923年9月1日、マグニチュード7.9の巨大地震と大火災で、東京は焼け野原になりました。関東大震災です。この災害は政治的には最悪のタイミングで起きています。直前に総理大臣が急死し、内閣は事実上不在だったのです。
 このとき後藤新平は誰よりも早く動き、新総理山本権兵衛に働きかけ、震災翌日には組閣を完了させます。自身は内務大臣に就任し、その夜、ただちに復興策を書き上げました。「遷都はしない」、「新たな都を創る」、「実施に当たっては地主に対して断固たる態度をとり、不当利得は許さない」などの明確な方針で、復旧ではなく復興を高らかに宣言しました。20日後には帝都復興院を創設し、精鋭を集め、本格的な復興計画の起案にかかります。
 「スピード」(初動の速さ)、「シンプル」(方針の明確さ)、「プロフェッショナル」(専門家の集中投入)。
これこそが非常時のリーダーの条件です。
 しかし、その後は決して順調とは言えません。後藤に対する政治的嫉妬や、地主層の無理解など、さまざまな壁が計画を阻んだのです。結局、後藤が復興の表舞台に居たのはわずか4ヶ月に過ぎませんでした。その後、実際の復興を担うのは、彼が集めた技術官僚たちです。私たちはその資料を掘り起こしました。今はあまり名を知られていない、この人々こそが復興の功労者と言えます。彼らは、焼失区域の区画整理を実現し、昭和通りをはじめとする幹線道路を創り、隅田川に多くの美しい橋を架けました。
 未曾有の大震災に襲われた日本には、後藤新平の高い志と雄大な構想力、そして復興のプロたちが示した強靭な実行力が必要だと感じます。
田中直人

出演

ナビゲーター : 吹石 一恵
後藤 新平  : 津嘉山正種
太田 圓三  : 小市慢太郎
十河 信二  : 古本新乃輔
佐野 利器  : 飯田 基祐
            中村 靖日
            山本 龍二 ほか

GP&総合演出

田中直人

プロデューサー

合津直枝

ドラマ演出

田中由美

ドキュメント撮影

西 徹

ドキュメント照明

石田厚

ドラマ撮影

吉田誠

ドラマ照明

高坂俊秀

美術

京映アーツ

音響効果

四元裕二

ポスプロ

オムニバスジャパン