ダイワハウス presents 尾上菊之助 初役に挑む 御園座 二月花形歌舞伎の舞台裏

今、最も「華」のある役者と言われ、歌舞伎界の未来を担う若手スターのひとり五代目尾上菊之助丈。その彼が、御園座で2月4日に初日を迎える「二月花形歌舞伎」で、出演する三作品すべてに〝初役〟で挑む。稽古から初日まで、菊之助丈の役作りに臨む真摯な姿を通して歌舞伎の魅力を届ける。

1.「義経千本桜 渡海屋・大物浦」銀平女房お柳 実は典侍の局
菊之助丈は、この女形の大役を演じるために、人形浄瑠璃文楽の太夫豊竹咲大夫師匠に教えを請いたいと思っている。「義経千本桜」は、もともと人形浄瑠璃として初演され、後に歌舞伎化された作品だ。このような義太夫狂言では、人物のせりふを役者が受け持ち、残りの地の文を竹本と呼ばれる義太夫が語ることになる。菊之助丈は、咲大夫師匠のお話しから、役の性根をつかむヒントを得たいと思っている。そして咲大夫師匠のお話しは、どう菊之助丈の演技に生かされるのだろうか?

2.「雪暮夜入谷畦道」片岡直次郎
   通称〝直侍〟として知られる片岡直次郎は、父菊五郎丈が当たり役としてきた音羽屋にとって重要な役だ。歌舞伎の世界で初役を勤めるとは、先達が工夫してきた演技の「型」を継承するという重要な意味を持つ。そのために初役を勤める時は、その「型」を先輩俳優に教えて頂くことになる。今回、御園座の稽古場には父菊五郎丈が足を運ぶ。先輩俳優であり父である菊五郎丈から後輩であり子息である菊之助丈へ・・・果たして菊之助丈は、どのような直次郎を演じるのだろうか?

3.「青砥稿花紅彩画」弁天小僧菊之助
菊之助丈にとっては音羽屋の家の芸であり、18歳で五代目尾上菊之助を襲名して以来繰り返し演じてきたが、今回は通し狂言としてはじめて全幕を演じる。勿論「雪の下浜松屋の場」は、最大の見せ場だが、今回は、大詰めの「極楽寺屋根立腹の場」で、歌舞伎ならではのスペクタクル〝がんどう返し〟が見られるも楽しみだ。そして、通しで演じることで、菊之助丈の弁天小僧菊之助が、どのように深化するのだろうか?

出演 

尾上菊之助

ナレーション 

山本翔太

P&D 

三室雄太郎

撮影 

柴田義政

VE 

宮脇直樹

音効 

塩屋吉絵