「現代のヒットメーカー・秋元康の魅力を感じる120分番組」を作る事になりました。
構成作家でもある秋元さんは、自分の番組をどう考えているのか、緊張の中、最初の打ち合わせが始まりました。会議室に少し遅れて登場した秋元さんは、洗いざらしのギンガムチェックのシャツを着て席につくなり眼鏡をはずし、ニコニコしながら自分が好きなドキュメンタリー映画の話を矢継ぎ早に始めました。「昨日、寝てなくてテンション高いんです。」その忙しさたるや想像をはるかに越えていました。毎日、何らかの締め切りがあり、AKB、SKE、NMB、JKTだけではなく、そこから派生する小ユニットまで、全てのプロデュースを行い、彼女らへ作った曲だけでも600を越えています。1曲作るにも、応募してくる楽曲は1000曲。その全てを聞き曲を選び、それに歌詞をつけるのです。「秋元は楽して儲けてると思われてるけど、楽なんか全然してない。」そう言い切る秋元さんは社員に「一日24時間AKBの事を考えろ。」そして「いつも客の立場にたって物事を考えろ。」とカツをいれます。自分の思いだけでなく受け手側がどう捉えるかが大事だという秋元さんは、この番組に対しても「構成作家・秋元として言えば、取材対象の秋元の嫌な面をえぐり出すような番組が面白いと思うけど、出演者・秋元としては余り嫌なヤツだと思われると嫌だし…」と自分が取材される時にすら客観視するのです。
そんな秋元さんに３ヶ月密着しました。
（竹村　香）