痛かっただろう。頭の大部分が削りとられたアフリカゾウ。
象牙を採ったあとの体は焼かれるか放置。大地に住む最大の動物アフリカゾウの体重は最大10トン。わずか13キロの象牙を持つがため次々と命が奪われていく。この異常な風景は誰が作り出しているのか。直接手をかけたのは現地の人々だが、密猟最前線から元を辿って行くと決して単純ではない様々なルートが浮かんで来る。見知らぬ場所に踏み込むごとに新しい事実に出会う。
そしてその先に見え隠れする巨大な中国の影とグローバリズム。もう待てない。地上の楽園を取り戻すためにアフリカから遠く離れた日本人にもできることがある。今、私達は何をしなければならないのか。
（今野英一郎）