人が住み続けるからそこに「風土」が生まれる。土地土地に根づく息づかいを描く「新日本風土記」。私たちが選んだテーマは「首都高」だ。「首都高」の風土…一見興味深いが、すぐそれは罠だと気付いた。人が暮らすから「風土」であり、首都高には誰一人住んでいないのだ。1日100万台の車が通り過ぎる日本の物流の中心。しかしそこに留まるものは誰もいない。それでも物語は生まれる。日々築地に新鮮な魚を運び続けるトラック、50年首都高を取り続けてきたアマチュア写真家、首都高建設と引き換えに地場産業を失った人々。それぞれに“夢見たもの”と“手に入れたもの”と“失ったもの”がある。
暮らさない、ただ行き交うだけの道を通して、大都会・東京を描く。
（國分禎雄）

再放送のお知らせ
2017年9月8日（金）21:00～22:00／9月15日（金）8:00～9:00
2024年2月6日（火）9:30～11:30　NHK BSP4K 4Kプレミアムカフェ番組枠内で放送