第1回 鯉昇れ、焦土の空へ

シリーズ被爆70年  ヒロシマ 復興を支えた市民たち  第1回 鯉昇れ、焦土の空へ

再放送のお知らせ

2016年9月10日(土)16:05~17:20
NHK総合(広島局ローカル)


「来年被爆70年の広島。復興をテーマにドキュメンタリードラマを」
 正直、最初に話を頂いた時は戸惑った。ヒロシマも戦争も、そして復興も、真正面からちゃんと向き合ってきたことがない自分が向き合えるのか。率直に言うと、怖かった。
 同時に、だからこそやるべきだ、こんなチャンス二度とない、とあおるもう一人の自分がいた。その通りだ。やってみなければ始まらない。やらずに後悔より、必死に取り組むべし。そう腹を決めたがなんとなく膝に力が入らない、モヤモヤした感を拭えぬまま、取材が始まった。
 広島に到着し、平和記念資料館の写真・展示を目の当たりにし、慰霊碑、原爆ドームを巡った。周囲のビル街と原爆ドーム。75年は草木も生えぬと言われた町の69年後の姿。その奥には、原爆投下のわずか3日後に営業を再開したという広電の車両が走っていた。
 歴代広島市長は、世界の何処かの核実験すべてに、抗議の手紙を書き続けている。「被爆電車」と呼ばれる車両が今も現役で通勤・通学の足として活躍している。
「ヒロシマ」は、<<過去にあったこと>>ではなかった。<<今なお蠢いている>>…的確な言葉が見いだせぬ文才の無さが怨めしいが、そんな印象を受けた。
 来年夏まで3回に渡るドキュメンタリードラマ、その初回は、広島の「復興」を日本中に知らしめた元祖市民球団、広島カープの草創期。なりふり構わず奔走する初代監督と寄せ集めナイン、そしてガラも悪いが情も深いエネルギッシュな市民たちが混然一体となった群像劇を、舞台界の鬼才・ノゾエ征爾氏の映像初となる脚本で、誠実でアツい森義隆監督が映像化。その現場のアツさたるや…プライスレス。
 もはやモヤモヤは消えた。だが、真冬のシーンにゲリラ豪雨のごとく降り注いだ“蝉時雨”に今、苦しめられている。今年も夏は暑かった。
(千葉 昭人)

キャスト

イッセー尾形
富田靖子
岡田義徳

橋本一郎
若山耀人
渡邉空美

大和田伸也   ほか

スタッフ

演出       森義隆

脚本       ノゾエ征爾(劇団はえぎわ主宰)

撮影       成田伸二(成田屋)
照明       太田秀悦(MAGIC HAND)
美術       安宅紀史(DUST)
録音       渡辺丈彦(ヒポ・コミュニケーションズ)
         原田真也(クロステレビビジョン)
助監督      片山慎三
         松沢真実(ドキュメント取材補)
         上別府僚
制作       稲垣隆治
         教野陽子
         湯澤布由子
ポスプロ     IMAGICA
CG・タイトル  佐々木理(IMAGICA)
応援       内山雄人
         金井真紀
         鈴木昭弘
キャスティングP 佐藤志保

プロデューサー  千葉昭人
GP       岸善幸