京都 和菓子 千年の旅
お雛様を並べる時、左右に一対の樹の形をしたものを飾ります。向かって左側が右近の橘、右側を左近の桜といいます。かつて平安京の内裏にあった紫宸殿の正面に植えられていた橘と桜に倣ったもので、現在も京都御所の紫宸殿前には、この右近橘・左近桜が植えられています。
和菓子の歴史をたどる京都の旅も、平安神宮の右近橘の前から始まります。お菓子なのになぜ樹がスタートなのかというと、不老不死の霊薬といわれたこの橘の実こそが、和菓子のルーツと伝えられているからです。
橘の実から始まる和菓子の旅は、ありがたいお香の香り漂う唐菓子、意外な変身を遂げたお饅頭、ポルトガル伝来の南蛮菓子、和菓子の最高峰といわれる上生菓子を求めて、京都の名だたる老舗和菓子店を訪ね歩く旅となりました。
旅人は「スキップが苦手」なフリーアナウンサーの川田裕美さん。「あんことわたし」というエッセイ本を出すほどのあんこ好きです。
圧巻は、創業500年の老舗 虎屋に眠るお宝の数々。元禄時代の井籠(せいろう)や菓子見本帳、歴史上の有名人が和菓子に寄せた愛が詰まった注文台帳など、テレビ初公開品を含む必見のコレクションです。
鴨川デルタに建つ国の重要文化財、旧三井家下鴨別邸をお借りして収録したスタジオには、幻の和製甘味料といわれる貴重な甘葛煎も登場します。
写真は幕末に来日したロシア使節団が持参した菓子折りと、同時期の初代米国総領事ハリスに日本側が送った菓子折りを再現したもの。国の威信をかけて作られた菓子は芸術作品のような美しさでした。
4K8Kチャンネルでも再放送が予定されています。是非ご高覧ください。
【BS4K放送のお知らせ】
2019年2月24日(日)19:00~20:00/2月28日(木)8:00~9:00 NHK BS4K
出演
葵わかな 磯田道史 川田裕美 茂山逸平(五十音順)
ナレーション
増田 晋
スタッフ
プロデューサー 井坂 解子
ディレクター 伏谷 毅彦
城後 真紀
応援 今井 絢
AD 木皮ひかり
リサーチ 吉本 珠代
撮影 佐藤 二郎
高田 裕次
藤田 岳夫
平本 亜希
音声 小宮 芳憲
草地 康明
照明 高橋 勇
美術 高津商会
イラスト 宮井 勇気
音響効果 塩屋 吉絵