辰巳の国際水泳場に日本選手権を見に行った。リオ五輪の日本代表が決まる大本番。テレビの生中継で見る競泳は非常にシンプルに構成されているが、会場のショーアップは全く異なる。電飾ギラギラ、選手たちは威勢のいいBGMに乗って登場し、名前が甲高いアナウンスでコールされる。さらに、五輪派遣標準記録のタイムが大きく電光掲示板に表示される。このタイムを上まわらないと五輪に出場不可となることが一目瞭然にわかる。緊張は否が応でも高まり、ハンディカメラはスタートギリギリまで選手たちを狙う。ショーアップされた異空間だが、この日、会場全体が涙でもなく、がんばれでもなく、ただただ立ち止まった時間があった。北島が派遣標準記録に届かず、プールサイドに座っていた時だ。あの時、私を含めて会場全体が北島に語りかけていたような時間だった。お疲れさま、そして、ありがとう。
レジェンドの軌跡を追います。
（長澤智美）

※4K放送。
8K試験放送は全国のNHK放送局でご覧いただけます。
試験放送をお楽しみいただける場所や時間、環境は各放送局によって異なります。
詳しくはお近くの放送局にお問合せいただくか、各地のNHKホームページをご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/shv/

渋谷のNHK放送センターでは、以下の時間で本番組の試験放送がご覧いただけます。
8月5日（金）、9日（火）、13日（土）、20日（土）
いずれも16:00～16:30