食彩の王国 2015年10月

食彩の王国 2015年10月

 スペイン政府の招待で、バスク地方の美食ツァーに行ってきた。バスクは、軽食で酒を飲むバルの文化。タパス(軽食)のもとは、串に刺したオードブルだったのでピンチョ(串)と呼ばれ、趣向を凝らしたものがカウンターに10数種類も並んでいる。それを肴に、瓶を高くかざしてグラスに注ぐチャコリという白ワインを立ち飲みする。日本大使館勤務だったバスク人が案内してくれたので、バルをはしごして飛び切り旨いものを連続して食べた。例えばフォアグラのムースが500円くらいで食べられる。港町なので海鮮も最高。エビやカニをどう工夫すればこの味が出るのか、魔法にかかったような口福。大航海時代に船員を輩出したバスクには、旨いものを作って食べて長い船旅の不満を解消してきたという伝統がある。特に、干しダラを使った男の料理は絶品だった。さて一番旨かったものは何かと言えば、放牧で育てられた牛をただ焼いて岩塩をまぶしたもの。歯ごたえがあり、噛めば噛むほどしみじみとした味わいがあった。きちんと食材を選んで、シンプルに料理すれば美味しい。バスクの街角で、スロー・フードの精神を見つめ直した。「食彩の王国」は、この10月で13年目に入る。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    OA日       テーマ     担 当

#598 10月 3日 :  ひき肉     ※VIVIA 
#599 10月10日 :   栗      前夷里枝
#600 10月17日 :  新米      ※VIVIA 
#601 10月24日 :  甘エビ     徳丸あす香
#602 10月31日 :  舞茸      ※VIVIA 

10月のテレビマンユニオン 担当回は・・・ 

《栗》『北斎が愛した栗の里 秋色に染まる信州小布施』     
実りの秋は、美味しい季節。収穫を迎える秋に恋しくなるのは、そう、栗です。
栗の名産地・信州の小京都小布施は、秋になると町が栗一色に染まります!
この時期だけ出来る長~い行列。その先で出会う話題の栗点心「朱雀」とは?
日本を代表するパティシエが和栗の美味しさを追求して完成した、1個2000円
もするスーパーモンブランが大人気!さらにプロが教える、手軽に作れる驚きの栗料理!
ほっくり温か~い栗の物語を紐解きます。                              
(中村史織)


《甘えび》『天然の生簀が育んだルビー 富山湾の甘えび』(仮)   
私たちが「甘エビ」といっているエビの正式名称は「ホッコクアカエビ」。
アカエビと名がつくとおり、鮮度のいいうちは、まるで宝石のように赤く透き
通っていて、美しさにうっとりしてしまいます。その殻を剥き、出てきた身は
トロッと口の中で溶け、なんとも言えない甘さ。
甘エビは北の冷たい海に生息しています。今回は立山連峰から流れる栄養豊富
な水によって育まれ、天然の生簀と言われる富山湾で獲れる特大の甘エビのお
いしさの秘密に迫ります。白エビ、富山エビ、赤エビ、ザコエビなど種類豊富
なエビが取れる富山湾では、エビといったら甘エビのこと。富山でそこまで親
しまれるようになった甘エビの魅力を紐解きます。
(徳丸あす香)

プロデューサー

土橋正道

ディレクター

田中由美
徳丸あす香
前夷里枝
橋本 倫
岸元美江
植田裕久
三田香織
阿部賢実
ほか

リサーチ

北口由子

アシスタントディレクター

鴨下 満
細村舞衣
中村史織