食彩の王国 2018年4月の放送

食彩の王国 2018年4月の放送

 「食彩の王国」のプロデューサーなら、美味しい店をたくさん知っているでしょ?と、よく聞かれる。知らないと言うと相手はいぶかしむが、ほとんどどの店にも行ったことがない。名だたる料理人の方々には、番組でお世話になるばかりで済みません。
 「食彩の王国」は、放送700回を超えて15年目に入った。生産者の熱意や、愛情、伝統料理の知恵、また西洋料理との融合。やがて食材が浮き彫りになり、火が温め、調味料が加えられ、料理されていく過程そのものが味わいとして視聴者に届けられる。
 それを可能にしてくれたのは、薬師丸ひろ子さんのナレーションだ。録音二日前に渡した原稿を、誰にでも優しく届ける表現に読み込んでくる。日本語を大切に、丁寧な言葉遣いで話す。録音前には、必ず本人を含めて言葉遣いの修正をする。
 次に、若いデイレクターたちの熱意だ。ADを1~2年経験すると、ディレクターデビューする。そして二年ほど経つと、別番組に巣立っていく。駆け出しのディレクターが、ベテランに負けじと新鮮な目で調査し、現在を生きる目線で食材に取り組む。その新陳代謝がエネルギーを生んできた。
 そして、いつの頃からか台本を薬師丸さんに届けるとき、取材中の思いや編集の苦労をしたためた手紙を同封するようになった。アナブースでそっと慰められているディレクターもいるほどだ。
 自分がディレクターの頃は、料理店にはテレビの取材と告げずにまず食べに行った。食べて味わい、店の日常を見てから、改めて取材のお願いをする。それを鉄則にしていたので、今は用がなければ有名店にも行かない。早く家に帰って、40年ほど連れ添った妻の手料理で一杯やりたい。家庭の味わいを大切にするというのも番組の柱なので、料理人のみなさんごめんなさい。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    O.A.   テーマ               担当ディレクター 
#723 4月 7日 春のおにぎり物語            間宮圭次郎  
#724 4月14日 納豆                  ※VIVIA
#725 4月21日 初がつお                細村舞衣
#726 4月28日 燻製                  ※VIVIA

4月のテレビマンユニオン担当回は・・・

#723 春のおにぎり物語
特に厳しかった今年の冬。その寒さも終わり、念願の春が到来しました。道を歩けば満開の桜に心を躍らせずにはいられません。そんな我々日本人のソウルフードがおにぎり!老舗のおにぎり屋はワインで炊いたおにぎりでイタリアへ進出。そして、おにぎりを探求する“オニギリスト”はカナッペのようなおしゃれなおにぎりで、パーティーや集まりの席を華やかに彩ります。そう、おにぎりは常に進化し続けているのです!春のおにぎり最前線、行楽のお供に是非!
(島越翔平)

#725 初ガツオ
鹿児島枕崎の人の誇りは水揚げ量日本一のカツオ。春を彩るこの魚は、枕崎の人の生活にしっかり根付いている。赴任した教員は、カツオの頭を使った“ビンタ”という奇妙な料理で出迎えられ、枕崎の住人になる。カツオを使った謎の被り物にはにかむ表情はこの時期の枕崎の風物詩だ。そんな枕崎から食の本場“パリ”でカツオ出汁を普及させたいと現地に工場を作った男がいる。グルメなパリジャンはカツオ節をどう評価するのだろうか?カツオ節で世界に挑戦する男の物語、必見です!
(島越 翔平)

プロデューサー

土橋正道

アシスタントプロデューサー

平田早季

ディレクター

細村舞衣
植田裕久
河野あや子
田中由美
橋村知曉
橋本倫
前夷里枝
徳丸あす香
鴨下満
間宮圭次郎

アドバイサー

吉田夕日

アシスタントディレクター

島越翔平
中村朱里