「世界ふしぎ発見！」は来年４月で丸30年目を迎えます。つまり、今年は30年目に足を踏み入れる記念の年。実際、番組スタッフには重延GPをはじめとして初年度から携わっているスタッフが何人かいます。かく言う私もその一人ですが、今から29年前の「世界ふしぎ発見！」がどんな状態でスタートしたのか、何人かに聞きました。
佐藤プロデューサーの証言。「世界ふしぎ発見！」初回の「エジプト」編ADとして初参加。旅費節約のためパキスタン航空を利用、南回りでカラチからドバイを経由して行った。カイロに到着するとちょうどクーデターが起こって戦車が町を走りまわり、ホテルを一歩も出られない状態に…。
私はさすがに南回りは経験していませんが、当時は東西冷戦のさなか。ソ連の上空を飛べないのでヨーロッパ行きはアラスカのアンカレッジ経由。辺鄙な空港ですがなぜか日本人相手のうどん屋があって、多い時はひと月に４回もそこでうどんを食べた記憶があります。
菅沼ディレクターの証言。1986年２月、放送に先立ってパイロット版を制作。カメラ倉庫を使い、草野さん、黒柳さん、野々村さんらの代役を立ててクイズをやった。当時は、スタジオショウが目玉の一つ。ハリウッドの回では草野さんがアクションに挑戦、アルゼンチンの回ではタンゴに挑戦するなど、今とはまるで別番組だった。
私が初年度担当したルーマニア、ドラキュラの回でも、冒頭スタジオに棺桶を置き、そこから草野さん登場という趣向でした。隔世の感があります。
岩垣プロデューサーの証言。当時フジテレビで放送していた「なるほど！ザワールド」のDをしていた経歴があり、それを買われて番組に合流してすぐ、「海外ロケ」はどう行われるのか、というレクチャーをスタッフ全員にした。
それから早30年。いまだ皆さん現役で活躍中なのはある意味、めでたいことです。この番組、じつは「熟年パワー」でもっているのです。
（大塚修一）

司会　　　　　　　草野仁
レギュラー回答者　黒柳徹子　野々村真
アシスタント　　　出水麻衣（ＴＢＳアナウンサー）