五嶋みどりがバッハを弾いた夏・2012

 11歳でアメリカにてプロデビュー、14歳の時、バーンスタイン指揮の演奏会でヴァイオリンの弦が2度も切れるハプニングの中、メンバーのヴァイオリンを借りて見事に弾き通したというエピソードはアメリカの教科書にも載った。プロデビューから30年、五嶋みどりは日本ではもちろんのこと欧米でも演奏会のチケットが売り切れるという人気演奏家として、世界各地で活躍を続けている。
 その一方で、20歳でみどり教育財団を立ち上げ、子どもたちに音楽を届ける社会活動、南カルフォルニア大学ソーントン音楽学校で弦楽部長として学生の指導に当たるなど教育家としての顔も持っている。
 そのみどりが30周年記念プロジェクトとして日本で特別の演奏ツアーを行った。演奏曲は「バッハ作曲の無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」。弾いたのは普段のような演奏会場でなく、ある想いを持って人々が参集する教会や寺院で中には世界遺産や国宝もあった。番組はその中から五島列島青砂ヶ浦天主堂、浦上天主堂、太宰府天満宮、西本願寺、中尊寺、函館カトリック元町教会での演奏会に密着、各地でのバッハの演奏の抜粋とロングインタビューや日常の社会活動の様子などで構成される「31年目に踏み出した・五嶋みどりの2012年夏」の記録である。取材を通して、ディレクターの浅野は五嶋みどりに「不動」の言葉を贈った。
演奏家、社会活動家、教育家という3つの顔を持つ五嶋みどりをご覧頂きたいと思います。(村田 亨)

構成・演出

浅野直広

撮影

後藤 修
吉田洋平

演奏収録

高島靖久

制作協力

大原れいこ
オフィスGOTO

プロデューサー

村田 亨
有賀史英(BS朝日)