古代文明ミステリー たけしの新・世界七不思議大百科
ミステリーは眠らない あの男が帰って来る
あべちゃんが政権に復帰し、あまちゃんが日本の朝に元気をとり戻し、半沢直樹が社会に倍返しした今年、舞台の演出を頼まれた。
思えば『古舘伊知郎トーキングブルース』以来20数年ぶりに舞台に帰って来た。
西村雅彦プロデュース、主演の『ブラザーブラザー』である。両親の四十九日の日、消息不明だった長兄が、突然、20年ぶりに帰ってくる! しかも日系ブラジル三世で日本語の話せない若い嫁をつれて。疑心暗鬼にとらわれる兄弟たち。なぜ今? 目的は? そこに居合わせた関係者たちも巻き込み上を下への大騒ぎ。そして徐々に暴かれていく天国の両親、そして兄弟たちの知られざる秘密が…。
舞台の演出はなにより農耕民族的アプローチが必要である。種子を蒔き、水を光を与え、成長の過程をゆっくりと時間をかけて出演者と共有する事になによりも喜びを感じる。その点テレビの演出はその対極にある狩猟民族的で、瞬時に最高の状態の獲物をカメラに収めるのだ。
手法は異なるが演出の本質は同じだ! 出演者にアバンギャルドとあだ名されながらも楽しんでいる。この舞台のテーマは失われた兄弟の絆の復活である。振りかえると今日の日本のテーマこそが、再生と復活なのかもしれない!
そして七年に渡って世界の七不思議を選定した『たけしの新・世界七不思議』もここに復活する。かつてこの欄で予告した通り『アウトレイジ』にビヨンドがあるように『新・世界七不思議』は『たけしの大百科』となって、またテレビに帰って来たのだ!
いままでの不思議に彩られた建築に代表されるモニュメントだけではなく、人類の英知の結晶とも言えるドラマを秘めた『遺物秘宝』がプログラムに加わる! まさに宝捜しのスリルとサスペンスが画面に展開される!
たけしのインディー・ジョーンズこそがこの番組だ!
(中谷直哉)