ツーリズムのジレンマ大研究＠札幌

　訪日外国人観光客（インバウンド）、2千万人の時代…「国際観光」の受け入れは、社会に何をもたらすのでしょう？
　経済・文化・歴史の営みが、外から来る人々に刺激されて展開する、いわゆる「ニューツーリズム」に期待が集まっています。資金・人材・アイデアなど、ローカルだけで賄うのではなく、他所者を巻き込んだダイナミズムで、新しい観光を創る試み。
　せっかく異文化の出会いがあっても、自分が売りたいものと、他者が買いたいものがマッチングしなければ商売になりません。成功への第一歩は、たとえば自らが誇りたい日本と、相手が期待するニッポンのズレに気づくこと。
　こうしたツーリズムは地域によって得意／不得意がはっきりと分かれる気もしますが…苦手な地域も、成功している地域から着実に学び始めています。

　観光にも、「競争」と「共生」が鋭く表れます。「公共財」としての観光地で繰り広げられる、熾烈な市場の奪い合い。開発競争の面だけが突出すると、共生関係が壊れ、せっかくの観光資源が台無しになることも。
　個人、地域、近隣、日本、世界…利益を広く捉えなければ、インバウンドも成功しません。日本文化を、公共財として世界にプレゼントする覚悟をもって。即もうけにつながらなくても、根気よく…世界から尊敬される観光地となってゆく。そんな大局観をもてるでしょうか。
　というわけで、今回の収録場所は北海道。自然・グルメ・大都市という日本の強みが揃った札幌へ。いよいよ北海道新幹線が開通する3月に収録、放送です。番組が誇る最強の論客たちが北海道大学に集結、激論を交わします。ご期待ください。
（高橋才也）