2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話

2000年を生きる 塩野七生と高校生の対話

歴史作家・塩野七生さんの番組を制作できることになった。なんという幸運だろうか。二十代の頃、熱病にうなされるように読んだ『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅な冷酷』。こんなカッコイイ男性がいるなら、今すぐにでもイタリアに飛んでいきたいと真剣に思った。現実に目にしていたのは「タケちゃんマン」の赤いマントだった。でも、私の頭の中は豪華な金のモールに縁取りされたマントを翻すチェーザレの姿で一杯になっていたのだ。
チェーザレのカッコよさに改めて触れたくて、今回再読した。今度はこんな男性、存在するはずないと思った。チェーザレは紛れもなく塩野七生さんが作り上げたキャラクターなのだ。二十代の頃は歴史的に現存した人物像に驚愕したが、今は、「創作された人物像」に凄味を感じている。ああ、チェーザレはカッコイイ。事実かどうかなんてどうでもいい。そう感じる自分の心が何だか嬉しい。
今回、塩野さんの作品を大好きになった高校生が塩野さんにたくさんの質問を書き綴り、手紙を書いた。在住するローマから塩野さんは丁寧な返事を送った。それがきっかけとなり、高校生たちとの対話を行い映像化が決まった。17歳たちは学習院高等科に通う。所属は文芸部。豊かな感受性を持つ生徒たちが塩野さんにぶつかる。なかには、小学生の時に塩野さんの作品を読み、熱烈なファンになった子もいる。ルネッサンスやベネチアなどの話題だけではなく、塩野七生の生き方そのものに迫る質問が飛び出すだろう。歴史を楽しむことができると塩野作品はよく評されるけれど、彼らの質問はもっと自分たちが向き合う現実に絡んでくる。「狂信的」にならないようにするにはどうしたらいいのか。と1人が聞きたいと言った。「狂信的」な姿勢を彼らは現代に感じている。
私の20代より遙かに成熟していることは確かだと思う。
(長澤智美)

番組ホームページはこちら

ナレーション

宮崎美子

P

長澤智美

D

鬼頭明

AD

古堤桂太
コナー シェイ ピルキントン

AP

河西恭子