それは一番可愛い大事なものだから誰にも触らせたくない。実際、私が今までに接した数多くの男の中で、石田は一番情事が濃厚で上手でした。もう自分は処女ではないと思うと、このようなことを隠して嫁に行くのは嫌。どうしても男から遠ざかると気がイライラするので、当時医者に診察してもらったことがありました。今度の私がやったようなことをしようと思う女は、世間にいるに違いないのですが、ただしないだけのことだと思います。あたしなんか学もないし、手に職もないから、独りで生活していくっていうことは、やっぱり結婚生活に頼らなくちゃならないでしょ。これからどうやって暮らしたらいいか。ショセン私は駄目な女です。
（坂田能成）