ベニチオ・デル・トロが新藤兼人監督に「映画」の話を聞いた

2010年2月中旬、突然ニューヨークから電話が入った。これまで全く面識の無いアーティスト平川典俊さんからであった。あのハリウッド・スター、ベニチオ・デル・トロが3月初頭に映画のキャンペーンで東京に行く。その時、彼が尊敬してやまない新藤兼人監督にインタビューしたい。それを映像収録してアメリカで監督をアピールしたいのだ。製作費用が100万円程掛かるが、何とかならないだろうか?ひょっとして詐欺?何故この話が私に?軽い眩暈を起こしながら尋ねると、色々な所に声を掛けたのだが全然進まず、私ならば何とかするだろうという情報を得たのだという。この男気を誘う話を聞いた瞬間、日本映画専門チャンネルに持ち込もうというアイディアが生まれ、なんとか実現にこぎつけたという次第である。プエルトリコ出身のベニチオが『裸の島』を一番好きであり、『落葉樹』で描かれた世界、母を幼き日に亡くした体験を共有していること、『原爆の子』以来、原爆を取り上げ続けている姿勢を尊敬していることなど、あの日この話が本当らしいと思えたポイントは、充分展開できたと思う。実の所、最大の驚きは98歳目前の監督の頭脳の元気さであったが。
(浦谷年良)


◆放送日
 2012年8月15日(水)17:30~
        18日(土)11:10~
        26日(日)28:25~

P&D

浦谷 年良

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斉藤 久剛

カメラ

神山健一郎
西   徹
伊藤加菜子

P

山崎 桃子
(日本映画専門ch)