フィンランド人のお土産2点セット「ムーミンマグ」と「ファッツェルのチョコレート」。17歳のときにフィンランドに留学してから、家の食器棚には数え切れないぐらいのムーミンマグが並び、数えたくないぐらいのチョコがお腹に消えていきました。あれから10年。ついにムーミンと仕事できる時がやってきました。
ムーミンの誕生は、実は戦争と深い関わりがあります。第二次世界大戦で、隣国ソ連の侵攻を受けたフィンランド。戦火の中で、画家だったトーベは絵を描くことができないほどの精神状態に追い込まれます。そんなときに、悲惨な現実から逃避するように描き出したのがムーミン谷の物語でした。当時のフィンランドの状況が今のウクライナに重なり、番組を企画しました。トーベの生誕110周年になる8月9日は、日本では長崎に原爆が落とされた日でもあります。ムーミンたちの力を借りて、今改めて平和を考えたい、と鋭意制作中です。（ついでに錆びついたフィンランド語も取り戻せますように）
（中川奈津子）