今回の「体感！グレートネイチャー」は、フランス名画に描かれた絶景を入り口に、フランスの大地誕生の謎に迫る。
　19世紀、フランスの画家たちは、アトリエを出て自然の中に自らの身を置き風景画を描くようになった。それは風景を写実的に描いたコローやミレーなどバルビゾン派、景勝地を旅しながら移ろいゆく自然を活写した印象派のモネ、風景をモチーフに存在の本質に迫る後期印象派のセザンヌ、写実から決別し心が感じる色彩を表現したマチス…と連綿と続く。彼らが風景画に描いたフランス各地の絶景は、フランスの大地に刻まれた約3億年前に遡る超大陸パンゲア形成に伴う造山運動、その後の地殻変動によりほぼ全土が海に沈んだ際の海洋堆積物、そして約6千万年前のプレート衝突に始まるアルプス山脈形成、それに伴う地殻の隆起・褶曲・移動…と、壮大なフランス大地形成史を辿る道標でもある。今日は名画に描かれた風景を辿れるのも旅の楽しみだ。
（三室雄太郎）

＜再放送のお知らせ＞
2024年4月29日（月・祝）19:30～20:59（NHK BSP4K）

＜5分版・10分版の放送＞
グレートネイチャー5min「フランス」　
3月30日（土）2:45～2:50（NHK BS）※29日深夜

グレートネイチャー　１０ｍｉｎ．　モネが描いた絶景　誕生の秘密　～フランス～
5月2日（木）18:05～18:15（NHK BSP4K）