2013年3月10日（日）放送予定
テレビマンユニオン担当回

「田んぼは、命そのものです」
２年前、津波に襲われた気仙沼市立本吉(もとよし)病院の裏には、病院長の川島さんがはじめた無農薬の田んぼがある。除塩された田んぼでの米づくりの話は、彼がこの地区でおこそうとしている「在宅で診療する地域医療」と頭の中でダブった。
どういうことか。彼はこう言う「口汚い言い方かもしれないが、病院は姥捨て山ではないんです」と。薬をなるべく控えて運動することで病気はよくなる。
間際の命を家族が協力して世話することで、疎遠になった家族関係が蘇生する。
また彼はこう言う「人は病気によって亡くなるのでなく、もともと死ぬものなんです」と。
死を受け止める覚悟、命そのものから目を背けていることを知らされる。
「田んぼで草をとり、虫を探す。それが仕事を別にして一番の楽しみだという川島さんは、在宅医療で患者の病気を診断し、不安を感じる家族と真正面から向き合っています。いま苦しくても、やり方・捉え方を変えれば結果、満足を味わうことができるかも…そんな風に思わせてくれる川島医師は、京大医学部卒の元プロボクサーです。
奈良県出身、家族を山形に残し単身赴任してまでも被災地での地域医療にこだわる、若き「家庭医」のとりくみに密着します。

（下口谷充）