最後の講義「建築家 伊東豊雄」
再放送
11月25日(土)20:00~20:49
日本の住宅建築は、白い壁と2LDK、3LDKなどの規格化された間取りが多く、億ションであってもその傾向は続いている。さらに最近は家族であっても同じ時間帯に一緒に食事をすることが減り、リビングと言う同一空間に集うことも減っているという。それぞれの個室で自分が好きなものを買ってきて、好きな時間帯にベッドの上などで食べていることが多いのだそう。独自の個性がそれぞれのくらしを選択していくのだと思うが、衣食住など基本であればあるほど、「学び」ではなく「常識」に任され、いつの間にか失ってしまうことが変化の激しい時代には多いと思ってしまう。
伊東さんは「近代化建築」を越えるためにテクニカルな空調設備を越える造りとプライバシーを重視した機能的な個室への疑問に対して次々とアイデアを出していった。それは公共建築でのあり方なのだが、私は個人の住居にも同じ論を導入したいとつくづく思ってしまった。壁がなく、エアコンが不要な家。夢のような空間だ。
(長澤智美)