ノンフィクションW「はじまりの記憶~現代美術作家・杉本博司~」
「古代人の見た原初の風景を、現代の人間が同じ ように見ることは可能か」
杉本博司の写真作品の一つ「海景」のコンセプトだ。
この作品に対する人は、まるで自分の心が、その写真に写し出されるような不思議な感覚に陥る。
杉本博司--世界的な写真家であり、建築や文楽の演出など近年ジャンルを超え続けているアーティストでもある。
TVの密着取材を断り続けて来たという彼に、半年あまり「密着」している。
あの海、実は彼の「最初の記憶」なのだと言う。
自分の記憶を求めていたら、人類のそして世界の記憶に辿り着いたのだと。
哲学的な作品の一方で、彼自身は諧謔性に富む人物。
この多様性にどこまで降りて行けるか。
今日もカメラ担いで向かいます。
(中村佑子)