欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエルNY思索ドキュメント

「欲望の資本主義」などで大反響のマルクス・ガブリエルが再び語り尽くす。場はNY、私たちのあり方を考えるのに写し鏡のような地だ。戦後アメリカとの深い関係性の中、今日ある日本。今、技術主導のデジタル消費の渦の中、増幅する欲望、怨恨…。資本主義が迷走?欲望が衝突する時、自由とは?民主主義が悲鳴をあげる時、倫理とは?AI時代の人間は?複雑性を抱えた現代社会の中生きる術は?異色の思索ドキュメント5回シリーズ。

【語り】松村正代アナウンサー
【声】山﨑健太郎

【各回テーマ/放送日時】
第一夜 「欲望の奴隷からの脱出」 2月25日(火)22:50~23:14
SNS社会の中、増幅する欲望、怨恨、そして分断。コミュニケーションツールとして期待を集めたデジタルメディアこそが私たちの社会を壊しているとガブリエルは指摘する。なにゆえに人々の心をむしばんでいるのか?カント、ヘーゲルを引きつつその本質を明らかにしていく。カントが考えた「自由意志」という概念、その先にある「目的の王国」とは?ドイツ伝統の哲学に新たな生命を吹き込むことで、現代人の心の問題を解き明かす。
【出演】マルクスガブリエル 

第二夜 「自由が善と悪を取り違えるとき」 3月3日(火)22:50~23:14
「自由の国」アメリカ、NYは、私たちのあり方を考えるのに映し鏡のような地だ。戦後アメリカとの深い関係性の中今日ある日本。だが今、両国ともに大きな曲がり角にあるように見える。ともすれば自由が単に「消費の選択」を意味し、物質文明の中に埋没しかねない日々。ショペンハウアーの「欲望」をめぐる名言を手掛かりにサブカルチャーまで言及しつつ、ポップでキッチュなアメリカというワンダーランドの本質に踏み込んでいく。
【出演】マルクス・ガブリエル,カート・アンダーセン(作家)

第三夜 「闘争の資本主義を越えて」 3月10日(火)22:50~23:14
なぜ人は高層階に住みたがるのか?問いかけるガブリエルが今夜解き明かそうとするのは、ねじれた方向へと進む資本主義、社会と個人の関係性のあり方だ。万人の万人に対する闘争は避けられない?ホッブズ、ルソーらの思想の歴史から何を学ぶ?そして社会を捉える目を更新し、新たな経済のビジョンを持てるのか?やめられない、とまらない…。効率化、合理化の果てに、今私たちが目にする光景をどう捉え、どう乗り越えていけるのか?
【出演】マルクス・ガブリエル クリスチャン・マスビアウ(経営戦略コンサルタント)

第四夜 「私とあなたの間にある倫理」 3月17日(火)22:50~23:14
「車を降りてくれ。」トンネルの中タクシードライバーから突然、降車を突き付けられるガブリエル。スリリングなハプニングから始まる番組はデジタルテクノロジーに心のありようまでコントロールされる時代との向き合い方を考える議論へと展開する。機械と人間の境界が危うくなる時代に生まれる、切実な倫理の問題とは?思考もまた感覚であるとしたら?哲学者、作家との対話もまじえ、現代社会に広がる心の病を解くヒントを哲学する。
【出演】マルクス・ガブリエル デイビッド・チャーマーズ(哲学者)ダニエル・ケールマン(作家)

最終夜 「哲学が国境を越えるとき」 3月24日(火)22:50~23:14
NYの日本料理店でラーメンをすするガブリエル。グローバル化された世界はさまざまな文化が行き交いハイブリッド化、多様な表現が生まれる。その固有性は豊かな果実となる一方分断も生む。対立が進む世界で普遍性が求められる時哲学は機能するか?「ガラパゴス化」が言われて久しい日本はどうする?前シリーズでファイアーウォールと彼が名づけた日本の強固な壁を越える道は、あるいは逆手にとる道はどこにある?斎藤幸平が聞く。
【出演】マルクス・ガブリエル 張旭東(ニューヨーク大学教授) 斎藤幸平(大阪市立大学准教授)

「総集編」 2020年5月6日(水・祝)20:00~21:49 ※間に10分間ニュースを挟みます。

ディレクター

三好雅信

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堀内慧悟 佐藤洋紀

AP

真治史

プロデューサー

丸山俊一(NEP)
高橋才也