食彩の王国 2012年5月

食彩の王国 2012年5月

 子供の頃、よく祖母や母の手伝いをした。褒められると、大人の役に立つことが誇らしい。そういう子供の心情をくすぐりながら、実は暮らしに役立つことを教えられたのだ。食器を洗う、拭く、並べる、大根を卸し金で擂る、山芋を擂り粉木で滑らかなとろろにする、昆布を植木鋏で細かく切る、白米と酢を混ぜて団扇で扇ぎながら寿司飯を作る、削り器で鰹節を削る、胡麻を擂る当たり鉢を両手で押さえて固定する、白玉粉を捏ねる、枝豆を茎から切り離す、さやえんどうの筋を取る、庭で山椒の若芽を摘む、茗荷を折りとる⋯。食材の性質や調理の仕方、調味料の使い方、ガスの炎の加減、おかずの取り合わせ、箸の使い方、食卓の作法、などなど。考えてみると、一緒に料理をしながら母も祖母に教えられていたのだろう。そうして母から子へ、子から孫へと家ごとの味が繋がってきたのだ。「男子厨房に入るべからず」とは言ったものの、人生とともにそんな時代は過ぎ去った。子供たちが自立した今、早く帰ったときは妻の手伝いをしている。なんだ、子供の時と同じじゃないか。さて、今度は孫に伝える番なのだろう。
(土橋正道)

語り

薬師丸ひろ子

5月のテレビマンユニオン担当回は・・・

≪ホタテ≫
 父親の晩酌のお供によく出ていた、ホタテのつまみ。私も一緒に、ジュース片手にホタテを食べていました。「ホタテばっかり食べるな、高いんだから」と、よく言われていたような・・・
今になって、その意味が分かりました。ホタテは、海の宝物なんです。
青森県陸奥湾は宝箱。海の恵みを受けたホタテは、生活の糧になっています。
取れたてのホタテをそのまま食べてもよし!浜で味わう究極の贅沢品。バター炒めに、フライに、串焼きに!佃煮や干し貝柱にすれば、保存食に。貝殻をお皿代わりに?!ホタテを味わい尽くす知恵が盛りだくさんです。
赤坂離宮の総料理長 譚 彦彬が手がける極上のホタテ料理。中国でもホタテは重宝さている食材です。ハレの日には欠かせないもの。干し貝柱は中国三大美味の1つ。なんと、金と同じ価値があるんです。太陽のパワーでうま味がぎゅっと詰まった干し貝柱は、いい出汁がでるだけでなく、そのものを食べても美味しい。スープにすれば、最高級の一品に。
日本と中国を繋いだ宝探しの旅に出かけます!
(二階堂茜)

≪グリンピース≫
 オムライスの上に、カツ丼の上に、緑色のグリンピースが乗るとパッと印象が変わります。
今回は、伊丹十三監督の「たんぽぽ」や「マルサの女」などの伊丹作品をはじめ、CMなどで活躍しているフードスタイリストの石森いづみさんに、グリンピースをどんな風に生かしているのか教えていただきます。
豆ご飯ひとつとっても違うプロの技。ぜひご覧下さい。
(室谷有美)

放送予定

OA日          テーマ         担 当

#424 5月  5日  : メープルシロップ  ※Vivia
#425 5月 12日  : ホタテ       D岡瑠里子
#426 5月 19日  : アジ         ※Vivia 
#427 5月 26日  : グリンピース    D椎葉百合子

土橋正道

制作P

那須恭子

椎葉百合子
井口奈美
三田香織
岡瑠里子
室谷有美
植田裕久
重乃康紀
ほか

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室谷有美
二階堂茜