フィンランドは国民の幸福度ランキング６年連続トップ。森と湖の豊かな自然。
街もきれいで国民性も穏やかで日本人にとっては親しみやすい国のひとつです。
ただ長い冬があります。きっと寒く厳しい冬には、幸福度の高さをもたらす「世界でいちばん幸せな冬」があるにちがいないと思ったのです。
しかし、1月の寒さは想像以上でした。マイナス40度にも近づく極寒の中で荒削りな自然のありようと人々のぬくもりある生き方がそこにありました。
ナレーション収録の時、「この風景見とれちゃうよね」と上野樹里さんがつぶやきました。
語りの立場は、いちばん最初につながった映像を見る、いちばん最初の視聴者です。
何気ないひとことにほっとします。ナレーションの中に、フィンランドの木を愛する人たちを表現する言葉として「私の一本の木はどこにあるのだろう」というフレーズを書きました。
上野さんはそのフレーズを読んだあと叫びます。「名前にある！」みな一瞬、「？」となりますがすぐにわかりました。上野樹里さんの名前には「樹」があるのです。「樹里」という名前はフィンランドみたいだなと、不思議な縁を感じました。見とれちゃうような風景と樹里さんの言霊のこもった語りです。
ぜひ、ご覧ください。
(構成 /演出　加藤　義人)


語り　上野樹里