ズームバック×オチアイ SDGsスペシャル

サステナブル、という言葉を初めて聞いたのは大学生の時だったと思う。
「持続可能」を謳うということは「持続不可能」なことが出てきたから。
ちょうどこれから働くという時に、急に持続不可能とか言うのズルくないか?
バブルだ何だとさんざ派手に荒らしておいて!とハタチ前の僕は心中憤った。
豪遊したいし、フィーバーしたいし、パーティーしたいのに。

―――でもその後。相次ぐ異常気象。そして今回の疫病。
世間知らずの若者の声など覆い尽くすほどに、地球のほうから
「もう持続不可能です」という訴えが届いた。

そう、持続可能か不可能かは人だけの問題ではない。
そしてそれを確認した上で言えるのは、
その問題の解決に向けて意思をもって動けるのが、
人(と人が作ったテクノロジー)だけだということ。
人は「知恵ある人」ホモサピエンス。アイデアは限界費用がほぼゼロ。
資源を使わず知恵を使ってこそ、この問題は解決できる。

では、どんな、知恵を?

SDGsをテーマとするのに、これ以上の人選はいない―――落合陽一さん。
2019年の著作『2030年の世界地図帳』は今もAmazonランキング1位。
みなさんご存知の博覧強記はもちろん、
それを常に変わり続ける「今」と掛け算し、未来を導いていくオリジナルな分析は、
2030年の達成目標年に向けて刻一刻と事態が変化し、
コロナ禍がさらにそれを変速させているSDGsを考えるのに最も相応しいお方。

今回は特にこちらの問いを受け止め、対話した落合さん。
特別出演してくれたNHKSDGsキャンペーン大使の長濱ねるさんの、
半年間SDGsを取材してきたからならではの真摯な問いに、まっすぐに答える姿。
ズームバック×オチアイで2年ナレーションを読んできた池田伸子アナウンサーと
はじめてジェンダーに関する対話。
いつものように一人フルスロットルで考える姿も魅力的ですが、
いつも通りの深さで、いつもとは違い対話をじっくり深める落合さんの姿が。
持続可能か不可能か?の問いは、年齢性別国籍関係なく、
否応なくすべての人に突き付けられるもの。
そういう意味で、今回の「ズームバック×オチアイ」はこの2年、
コロナ禍で制作してきた16本の番組のどれにも増して、「伝わる」ものとなった。

長年未解決のままの日本の宿題ジェンダー問題を解決する「テクノロジー」とは。
COP26で激論! 脱石炭に揺れるエネルギー問題、でも「日本は元々EV」!?
そしてズームバック×オチアイの「知の友」となったマルクスガブリエル&オードリータンも緊急取材。
これさえ見ればとことん理解が深まるSDGsスペシャルに。

今回はじめてこの番組についてくれたアシスタントの儀武さんが試写の動画を見て
「フツーにめちゃめちゃ面白かったです!」と言ってくれたのがうれしく。
フツーに知るべき、持続可能性のいまと未来。ぜひご家族でご覧ください。
阿部修英

出演 落合陽一
   長濱ねる
   池田伸子アナウンサー

総合演出&P

阿部修英

スタッフ

佐藤順哉(NHKエンタープライズ)
竹之内優子(NHKエンタープライズ)

儀武良公斗
髙村安以
山本宏明

制作統括

河瀬大作(NHKエンタープライズ)
松永真一(NHK)