テレビマンユニオンが創立から43年目、カザルスホールが本来なら25年目、プロデューサーにしてテレビマンユニオンの会長だった萩元晴彦さんが亡くなって11年目そして「オーケストラがやって来た」の放送終了から29年目、この人なくしては番組はありえなかったという人物が山本直純さん⋯
　色々な年月を数える中で「そうだ、直純さんが亡くなってもう10年だぁ」と直純さんの仕事仲間が集まって、あっという間に実行委員会が出来ました。
　斉藤秀雄先生の下で指揮を学び、同じ門下生だったのが小澤征爾さん。小澤さんが24歳でヨーロッパに渡るとき直純さんにこんなことを言われたと、書いています。〈「音楽のピラミッドがあるとしたら、オレはその底辺を広げる仕事をするから、お前はヨーロッパへ行って頂点を目指せ」つまり直純さんは、音楽を世の中に広げる仕事を意識的にやってきたんですよ⋯〉
　そのためにCMや番組音楽をオーケストラを使って作曲したり、派手なしぐさで番組などに出演していた、愉快な顔の直純さん⋯
　しかし仲間たちは直純さんの作曲家としてのもう一つの顔を忘れていませんでした。海外のオーケストラも取り上げた管弦楽曲や室内アンサンブルの曲、合唱曲、児童合唱曲など才能あふれた作曲家でした。
　音楽家山本直純さんの真骨頂を聴いて頂こう⋯縁のあった皆さんそして「亡くなって10年、直純さんからもらった音楽のバトン忘れずに⋯」というさだまさしさんも参加して、「直純さんがやって来た」大音楽会の開幕です。
　実行委員会（テレビマンユニオン、新日本フィル、ミリオンコンサート、エニー）一同、「直純音楽ワールド」でお待ちしています。
（村田　亨）