Zero Waste Life 2023年8月

Zero Waste Life 2023年8月

日本には昔からあらゆるものには大切な「命」があり、その「命を最後まで生かしきる」という思想が連綿と息づいてきた。それはモノの命を慈しむ、まさに「捨てない暮らし」そのもの。モノの命を慈しみながら暮らしを楽しむ人々の素晴らしさを世界に向けて伝える15分番組。
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世界の約160に及ぶ国・地域の衛星放送やケーブルテレビでOAされている、この番組。放送してしばらくすると、各国視聴者からの採点評価や感想が、モニターリポートとして送られて来ます。採点は1から5までの5段階評価となっていて、通知表と同じく5が最高評価。おかげさまでこの番組は、数多のNHKワールドのコンテンツの中でもベスト5以内の高評価をいただいているそうです。制作スタッフは世界中の視聴者の反応を励みとして、日々奮闘しています。
三田豊

今月の放送(NHK WORLD-JAPAN )英語版 毎週金曜 午前10:45~11:45ほか

8月4日(金)
#21 Folk House: The Beauty of Age 「再生古民家:古きを温めて美しきを知る」(再放送)
石見銀山のある島根・大田市で暮らす松場登美さんは、古民家を再生した宿を営む。廃墟となっていた武家屋敷を買い取り、廃材や廃品を再利用しながら、10年以上の月日をかけて改修した。庭の小道に敷かれているのは、捨てられた煉瓦。洗面所のボウルは、割れた甕を再利用したもの。窓は廃ガラスをパッチワークして作られている。丁寧に作られた昔のモノは、時が経っても美しい。そして冬は、宿の軒先には日本伝統の保存食、干した野菜や果物が吊るされる。そうした昔ながらの風景にも風情がある。ものを捨てることなく大切に使い、丁寧に暮らす。そんな松場さんの美意識が、宿全体を包みこんでいる。

8月11日(金)
#22 Eatery Happiness Exchange 「おすそわけ食堂」(再放送)
市場に出回る野菜は、色、形、大きさなどが揃っている。厳しい規格を設けることで取引の簡素化や流通の合理化が可能になるが、少しでも規格から外れた野菜の行き場はなくなってしまうのが難点だ。高知・香美市に暮らし、大学で農業を学んでいた陶山智美さんは、そんな廃棄野菜を有効活用する食堂を開くことにした。使う食材の多くは近隣農家からおすそわけしてもらう規格外野菜。原価が低く抑えられるため、お客さんにも低価格で食事が提供できる。大学を卒業してからは毎日厨房に立っている陶山さんの営む食堂はいつも賑わい、地元住民にとって欠かせない交流の場にもなっている。

8月18日(金)
#23 Handmade Green Living 「里山の手作り暮らし」(再放送)
高知の緑豊かな山間に住む、布作家の早川ユミさん。アジア各国から集めた布を材料として、個性的な服やバッグを制作している。アトリエに所狭しと敷き詰められているのは、布の切れ端。制作工程で出た切れ端を、早川さんは決して捨てない。切れ端同士を繋ぎ合わせて新しい作品を作るためだ。最後の一欠片まで使い切る──そんな信念は、彼女の暮らしぶりにも貫かれている。自給自足に近い生活を営み、生ごみを堆肥にすることでなるべく廃棄物を出さない。薪が灰になれば、それを食器の洗浄に使ったり畑に撒いたりする。早川さんの暮らしでは、あらゆる命が途切れることなく巡っている。

8月25日(金)
♯45 Old Glove, New Dreams 「野球グローブ再生 夢をつなぐ」
日本で最も人気のあるスポーツ、野球。プロ選手を夢見て多くの若者が練習に励んでいる。だが野球には、使う道具が高額という側面があるのも事実。特に捕球に使うグローブはポジションによって構造が異なるものが必要なので、経済的な理由から競技を断念することさえある。そんな現状に一石を投じるべく、米沢谷友広さんは全国から中古のグローブを回収し、修理して安価で提供するシステムを考案した。作業を行うのは修理職人の大木賢さん。2人は「どんな子供にも平等に夢を見て欲しい」という思いで、3000個以上のグローブを再生させてきた。


※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。

※YouTubeのNHK WORLD JAPANのチャンネルでも「Zero Waste Life」は視聴いただけます。
 リンクはこちら(外部サイト)

NHK BS1でも放送がスタートしました。 英語版 毎週金曜 午前4:30~4:45

8月 4日  #13 廃瓶に命を吹き込む
8月11日  #14 畑から生まれた色彩
8月18日  #15 古着に新たな輝きを
8月25日  #16 コルクで描く肖像画

音楽

笠松泰洋

ナレーション

ガイ・ペリマン

音響効果

岡林亜実

ディレクター

浅野直広(#21)
中川奈津子(#22・#23)
渡辺裕太(#13)
岡崎ひかり(#14・#17)
首藤凜 (#15)
桒原拓真(#16)
奥野崇(#45)

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潘志揚

プロデューサー

琢磨修一

ゼネラルプロデューサー

三田豊