Zero Waste Life 2025年11月

Zero Waste Life 2025年11月

日本には昔からあらゆるものには大切な「命」があり、その「命を最後まで生かしきる」という思想が連綿と息づいてきた。それはモノの命を慈しむ、まさに「捨てない暮らし」そのもの。モノの命を慈しみながら暮らしを楽しむ人々の素晴らしさを世界に向けて伝える15分番組。

今月の放送(NHK WORLD-JAPAN )英語版 毎週日曜14:45~15:00ほか

11月2日(日)
#13 Glass for Life 廃瓶に命を吹きこむ(D渡辺裕太) 
日本列島の最も南にある沖縄。年中温かく観光地として有名なこの地で、100年以上続く工芸が「琉球ガラス」だ。ガラス職人の松本栄さんのこだわりは、原料に飲食店や家庭から廃棄された瓶を使うこと。捨てられたものだからこそ、美しく蘇らせたいのだという。自身の活動が少しでもゴミを減らすことに繋がって欲しいという思いで、今日も鉄の吹き竿を吹き続けている。

11月9日(日)
#20 Back in Black 黒く染めてまた着よう(D岡崎ひかり
染色職人の井澤剛史さんが去年から始めたサービスがある。それは「着古された服を黒く染める」というもの。服がどんなに傷んでいても、汚れていても、真っ黒にしてしまえば気にならない。それどころか、まるで新品のようにさえ見えるのだ。ゴミ箱行きになるはずだった服を「黒い新品」に変身させるこのアイデアは話題となり、いま黒染めは3か月待ちになっている。

11月16日(日)
#24 Jeans Genie 廃棄ジーンズの魔術師(D岡崎ひかり
ジーンズは世界中で親しまれている反面、廃棄される量も多い衣類のひとつ。河原拓也 さんは捨てられたジーンズをリメイクし、味わい深い新作アイテムへと生まれ変わらせてきた。傷んだ部分を上手くいかしてお洒落に仕上げたり、異なる風合いのジーンズを組み合わせたりなど、その独特のセンスが人気を博している。河原さんにとって欠かせない仕事のパートナーが山澤亮治さん。海外から廃棄ジーンズを買い付けてくるのが彼の仕事だ。二人は大のジーンズ好き。だからこそ、ゴミとなったジーンズを救出し、輝かせることに力を注げるのだ。

11月23日(日) 
#37 Furniture in Blue 端材家具を染める 山に優しい家具(D中村佑子
木材の中には長さや幅が足りないため、市場に出回りにくいものがある。それらは端材と呼ばれ、廃棄されたりチップになることが多い。しかし、そんな端材を使って家具を作っているのが田中良典さんと宮地洋さん。端材から大きなパーツは切り出せないため、小さなパーツをいくつも組み合わせる必要があるが、その過程でどうしても色味の差異は出てきてしまう。その問題を解決するのが日本伝統の染色技法、藍染め。最後に全体を藍色に染めることで、家具は統一感のある仕上がりに。秀逸なアイデアと木材への愛情から生まれた家具は、その美しさから人気を集めている。

11月30日(日)
#40 Full Trash Alchemist 廃材の錬金術師(D藤原綾子)
緑豊かな高知の山間に住む、布作家の早川ユミさん。アジア各国から集めた布を材料として、個性的な服やバッグを制作している。アトリエに所狭しと敷き詰められているのは、布の切れ端。制作工程で出た切れ端を、早川さんは決して捨てない。切れ端同士を繋ぎ合わせて新しい作品を作るためだ。最後の一欠片まで使い切る──そんな信念は、彼女の暮らしぶりにも貫かれている。自給自足に近い生活を営み、生ごみを堆肥にすることでなるべく廃棄物を出さない。薪が灰になれば、それを食器の洗浄に使ったり畑に撒いたりする。早川さんの暮らしでは、あらゆる命が途切れることなく巡っている。

※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。

※YouTubeのNHK WORLD JAPANのチャンネルでも「Zero Waste Life」は視聴いただけます。
 リンクはこちら(外部サイト)

音楽

笠松泰洋

ナレーション

ガイ・ペリマン

音響効果

岡林亜実

ディレクター

藤原綾子
瀋志揚
岡崎ひかり
中嶋旭洋
首藤凛
本多彗
間宮圭次郎

AD

小栁希美

プロデューサー

琢磨修一

ゼネラルプロデューサー

三田豊