ETV特集「山田太一からの手紙」
脚本家・山田太一さんが亡くなられたのは、昨年11月末。友人でもある演出家のご長女から「父に会う?」と誘ってもらい、いただいた32通のハガキ手紙を携え、久しぶりにお目にかかった。山田さんの瞳は相変わらずキラキラと好奇心に満ちていて、お見せした便箋を「なんだ、俺の字じゃないか」というように凝視された。「そうですよ、山田さんのお手紙でどんなに勇気づけられたことか」とお礼をお伝えすることができた。山田さんは筆まめだったから、世の中には私と同様にお手紙をいただいた方がたくさんおられるだろう。そうだ、山田さんから手紙をもらった方々を訪ねて、山田太一さんがテレドラマに何を思い、どう闘ってこられたか、を辿ってみたい、と思った。
(合津直枝)