新日本風土記 「走れ!私のローカル線」

新日本風土記「走れ!私のローカル線」

「駅のトイレを綺麗に!」…奇抜なアイデアで赤字のローカル線を一転復活させた名経営者がいる。
兵庫県を走る北条鉄道(北条町ー粟生 13.6km)の副社長、佐伯武彦さん。北条鉄道に乗って育ち、その後、川崎重工へ。赤字続きのアメリカ支社を、トイレを綺麗にすることで黒字化し、副社長にまで上り詰めたという。
それにしてもなぜ、黒字化するためにトイレなのか?佐伯さんによれば、答えはシンプル。汚いトイレの所に誰も寄り付かないでしょ。
トイレが綺麗なら、人は自然と集まってくる。人が集まって、清々しくいられれば、良いアイデアが生まれる。
にわかには信じられないが、大企業の不採算部門を黒字化させた実績があるから妙な説得力がある。

北条鉄道の再建も、最初は誰も見向きもしなかった。そんなことで事業が変わるわけがない、と。
だから一人でやった。実際、当時の駅は不良のたまり場だった。
でもトイレが綺麗になると、少しずつ人が集まってきた。
やがて駅に活気が出始めると、トイレは地元の人々の誇りになった。
いつしか、人々はボランティアでトイレ清掃を買って出るようになった。
経営はV字回復した。

日本に鉄道が敷かれてから150年。新幹線網は全国に延び、日本は世界屈指の鉄道大国になった。一方で、全国に存在する地方鉄道は8割が赤字。不採算路線が次々と廃線になっている。だが地方鉄道には数字では計り知れない豊かさと思い出が詰まっている。
全国津々浦々、ローカル線が走る美しい景色の向こう側に、日本人の風土を見つけに行く。
(國分禎雄)

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演出

東 考育 池田一葵
       
         

編集

大川義弘

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本庄 栞

プロデューサー

國分禎雄