情熱大陸「木彫家 貝澤 徹」

情熱大陸「木彫家 貝澤 徹」

放送に入らなかった、取材エピソードを一筆。貝澤さんは、20歳の時に出会った藤戸竹喜さんというアイヌ彫刻の大家から、とても大きな影響を受けて木彫りに励んできたと言います。ハーレーに乗って颯爽と現れる姿、弟の幸司さんと初めての個展を開いた時まとめ買いして帰って行った太っ腹な人柄、初めてアトリエを訪ねていった時の眠そうな顔。心の師とも言える藤戸さん、その粗彫りの作品が貝澤さんの仕事場のすぐ横に置かれていたのが印象的でした。
貝澤さんにとって「アイヌ」は、家族の歴史と生活の一部でありながら、その複雑な歴史の中で完全な形では伝えられてこなかった「自分の中に潜む他者」でもある。だからこそ、彼はこの現代においてアイヌとは何なのかと問い続け、その迷いと葛藤が人の心を揺さぶるのでしょう。白老町でオープン予定の「ウポポイ」に納めた大作、火の神「アペフチカムイ」像は、初の人物造形への挑戦。その制作過程においても見られた、「最後まで迷い続ける」凄みと柔軟性は、北の大地における厳しい自然との共生を実践してきたアイヌの伝統を象徴しているのか、と想像してしまいます。
(下口谷充・深田祐輔)

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演出

下口谷 充

深田祐輔

構成

浜田 悠

撮影

池村 泰貴
森屋 進

編集

宮島 亜紀

音効

井田 栄司

プロデューサー

中村 卓也(MBS) 
下口谷 充