サラメシ 2021年3月

サラメシ 2021年3月

どうやらフェイクニュースではなかった「鬼滅の刃が見たいので休みます」という張り紙で話題となったラーメン屋さんのニュース。それほど鬼滅ファンでもなく何の関係もないのだが、そのぶっちゃけ具合の潔さとセンスがとても心地よかった。堂々と、そして正直に、が一番伝わるのだと、あらためて思った。
コロナ禍でのテレビが、さまざまな不自由や制限を、どう受け止めるかにも、正直さが一番だと感じる。「この線から出たらいかんのやろ?」と笑うさんまさん、共演者が全員リモートのスタジオで「一人で寂しいよ~!」と叫ぶ内村さん、真ん中のアクリル板をどうにかネタに取り入れようとする漫才コンビ、スタッフも共演者もいないパソコンの前で一人演技する俳優たち…。どんな不自由や制限があっても、オモシロに、エンタメに変換してやるという同業者や演者たちの、堂々とした開き直り=プロ魂のようなものが垣間見えると、とても勇気づけられる。
そんなコロナ禍のサラメシは、ただひたすら視聴者の皆さんに助けられた。
ロケが命の番組。でも、今までのように自由にロケに出られない。
…じゃあどーするか?お邪魔できないんなら全部撮ってもらおう!と、
開き直ってひねり出したのが「おまかせサラメシ」という企画。番組に投稿いただいた皆さんに、箱詰めしたビデオカメラと三脚を送り付けて、いい感じでいろいろ撮って送ってくださ~い!と、要は無茶ぶり。さてどーなることやら…と期待と不安半々だったが結果、とにかくみなさん撮影が上手!福島で絹織物工房を営むご家族も、京都の産婦人科病院の皆さんも、大阪のお寺のお坊さんたちも、岐阜の親子も高知のご夫婦も。スタッフがいないからこその自由で新鮮な空気感、そして伝えようとする思いがそれはそれは素直に感じられ、何より面白い。
SNSでは、手抜きだ楽してるだとのコメントも正直見かける。でもこれこそ10年かけて培った視聴者との信頼関係の賜物と信じてサラメシは、止まることなく、わりと全力で走り続けています。
(松葉直彦)

【今月の放送】※木曜日 昼12:20~の再放送は、23分の短縮版です。

シーズン10 #35 3月2日(火)19:30~19:57
再放送 3月4日(木)ひる 12:20~12:43/3月7日(日)あさ 8:25~8:52
今季J1昇格となったアビスパ福岡。そのチアリーダーの中にJリーグ史上初の男性チアリーダーがいる。バトントワリングの世界大会でメダルを獲得したこともある技術でチームを応援する男性チアリーダーのランチを拝見!▽東日本大震災から10年。福島県いわき市の自動車工場や三陸鉄道の運転士などこれまでサラメシで取材したみなさんから自撮り動画を送っていただき当時の取材映像とともに紹介。被災地のみなさんの今を伝える。

サラメシ「春のまかないスペシャル」 3月14日(日)16:00~16:27
これまで紹介してきたおいしそうな「まかない」から、選(え)りすぐりのランチをお届けする、春のまかないスペシャル!▽お笑い劇団「ワハハ本舗」の若手劇団員たちの胃袋を支える、劇団専属シェフ▽京都の西陣織工房、親族9人の昼を支えるまかない▽東京・江東区の歯科医院の昼を60年にわたり支える院長母のまかない▽名古屋の調理道具専門店のまかない▽東京・世田谷で店を閉じる青果店、最後の日のまかない。

再放送のお知らせ

シーズン9 #33 3月11日(木)ひる 12:20~12:43
とれたてのサバでつくる宮城県石巻市のサバ缶工場を取材。東日本大震災で津波に遭いながら流されず残った「希望の缶詰」を起点に、工場を復興させたみなさんのランチタイムを拝見!▽宮城県気仙沼市の建設会社では、インドネシアからの技能実習生たちが、日々の作業を支える貴重な戦力となっている。彼らのためにと、専務が開いたインドネシア料理店をおじゃまし、お昼をのぞき見する。▽京マチ子が愛した東京・赤坂の会席料理。

シーズン10 #33 3月14日(日)あさ 8:25~8:52
帯広畜産大学の教授は、牛肉の「A5ランク」など格付け基準のための表づくりを手掛けた肉のエキスパート。今もおいしい肉づくりのため、牛肉の画像解析に日々取り組む教授のランチは、カロリーと値段にこだわる究極のコスパめし!?▽地方創生コンサルタントが出張先の和歌山から美味を!ランチ自撮りチャレンジ。▽今年はオンライン開催のみとなった「さっぽろ雪まつり」。雪像制作隊を支える熱々まかないサラメシをもう一度。

シーズン10 #34 3月18日(木)ひる 12:20~12:43
大阪市鶴見区のせっけん工場では、天然油脂を使った昔ながらの釜だき製法で、今も固形せっけんを作っている。気温や湿度を見ながら、釜の中の材料のちょっとした変化を見抜く職人技が、せっけん作りを支える。職人たちのランチを拝見!▽香港からサラメシ海外特派員。香港島から船で30分ほどのラマ島から通勤する女性がランチ事情をリポート!▽北海道の豪雪地帯、夕張で高速道路の除雪作業を支えるギョーザメシを再び。

シーズン9 #7 3月25日(木)ひる 12:20~12:43
新潟市の宝石店では、店を経営する会社の会長を務める女性が、従業員の昼食を作る。店で働く女性たちに「いい女」になってもらいたいという会長の“美をつくるランチ”とは?▽埼玉県和光市の「巻きチョコ」製造会社は、ケーキやパフェに飾りとして添える巻きチョコの生産量が日本一。工場を支えるスタッフのランチタイムをお弁当ハンターが見にいく。

サラメシ英語版

『Lunch On!』
※NHK WORLD 毎週木曜 13:30~、19:30~、金曜 1:30~、7:30~
約160の国と地域で衛星放送やケーブルテレビを通じて視聴可能。

3月 4日 「新潟・沖縄料理店」
3月11日 「石巻・サバ缶工場」

ナレーション

中井貴一

プロデューサー

松葉直彦  松尾明美 

演出スタッフ

今関裕子   石井大介
田中ナオト  金井さおり
北沢建一   森田遥平
大沼奈保子  椎葉百合子
塩田明里   横川僚平   
薗田拓郎   首藤凛    
呉卓然    伊藤広大   
野口眞    真田美希   
高橋渉

アシスタントプロデューサー

宮﨑和子

リサーチ

冨田紀子

構成

たむらようこ 服部真由子

音効

井田栄司