食彩の王国 2022年7月の放送

食彩の王国 2022年7月の放送

「夏が来れば思い出す」
 ネコの額ほどの庭だが、手入れをすれば驚くほど汗が流れる。塩分を補給して、水を飲め、涼しいところで休めというが、食材の生産現場ではそうもいくまい。世界中の生産者が暑さに耐え、我々の食を支えてくれていることがありがたい。消費者物価指数は上がるばかりだが、誰にも幸せは訪れない。ロシアがウクライナに仕掛けた戦争が諸悪の根源だが、景気低迷が続く日本には大打撃だ。夏は同時に、敗戦当時を思い起こさせる。戦争は経験しなかったが、食糧難のことは思い出す。上野、新宿、渋谷などのガード下には手足を失った傷痍軍人が座り込み、アコーディオンなどを弾いて物乞いしていた。全身白ずくめで包帯を巻く、その異形が目を引いた。同じ場所を行き交う、買い出し、配給、食べるためだけに右往左往する大人の姿を覚えている。穀物の一大産地・ウクライナにも、やがて都会では同じ情景が繰り返されることだろう。戦争がない世界へ導く、人類の英知に期待したい。
(土橋正道)

DVD「食彩の王国 日本の四季」
ポニーキャニオンより好評発売中!
(C)2019テレビ朝日・テレビマンユニオン・テレビ朝日映像

語り

薬師丸ひろ子

放送予定

    O.A. テーマ    担当ディレクター 
#936 7月 2日 じゃがいも   ※テレビ朝日映像
#937 7月 9日 小田原たまねぎ  島越翔平
#938 7月16日 湘南白なす    島越翔平 
#939 7月23日 キャベツうに  ※テレビ朝日映像
#940 7月30日 淡路島ハモ   ※テレビ朝日映像

#937 小田原たまねぎ
サラダや煮込み、炒め物にも活躍する万能野菜といえば…たまねぎです!
かつて「野菜の王国」と謳われ、たまねぎの一大産地だった神奈川県・小田原市。しかし今では、後継者不足で生産量が激減…かつての名産地を復活させたいと立ち上がったたまねぎ3人衆の挑戦に密着します。
様々な試行錯誤の末に見つけた秘策は、なんと雑草!?
さらに、3人衆の目標である東京進出の第一歩として、イタリア郷土料理のスペシャリスト・馬渡シェフの元へたまねぎを届けます。
小田原たまねぎの甘み、旨みを存分に引き出した、イタリアンは必見です!
(菰田)

#938 湘南白なす
燃え上がる夏の陽射しを浴びて旨味を蓄える食材、湘南育ちの白ナスが今回のテーマです。
一風変わったこの白ナスを作り上げたのが、江戸時代から続く農家の若き跡継ぎ清水さん。
茅ヶ崎市にある清水さんの畑では、早朝6時に収穫作業が始まります。 「ナスは水で作る」という言葉があるほど水分量の調節が不可欠。地表が熱くなる前に収穫を終えなくてはなりません。繊細で傷つきやすい白ナスの収穫の秘訣は・・?
見た目の珍しさが話題を呼んでいる白ナス。実は江戸時代発行の「農業全書」にも記載されています。
清水さんが白ナスを現代に復活させようと考えた理由とは・・・?
評判を聞いて畑を訪ねた老舗フレンチのシェフ松本さん。匠が作る驚きの白ナス料理とは!?
(徐)

プロデューサー

土橋正道

制作進行

平田早季

ディレクター

植田裕久  島越翔平 
河原剛   橋村知曉  
鴨下満   土井晴美
河野あや子 田中由美 
橋本倫   永田曉児

アシスタントディレクター

菰田ゆり乃 徐子豪

音響効果

山﨑恵美