Zero Waste Life 2025年1月
日本には昔からあらゆるものには大切な「命」があり、その「命を最後まで生かしきる」という思想が連綿と息づいてきた。それはモノの命を慈しむ、まさに「捨てない暮らし」そのもの。モノの命を慈しみながら暮らしを楽しむ人々の素晴らしさを世界に向けて伝える15分番組。
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この番組でDデビューした中国出身の瀋志揚(パン・ジーアン)の6作目が 「パンの耳をビールに」篇(11/22放送)。海老名市で無添加でのパン作りを続けてきた方が、廃棄されてしまうパンの耳を使いビール造りに挑んだ。添加物を含んでいないおかげで、醸造もスムーズに進んだという。最近ではさらに規格外のイチゴを生かした発砲酒作りも。「こんな酒造りを応援し続けたい」と感じさせてくれる深い味わいだった。
(三田 豊)
今月の放送(NHK WORLD-JAPAN )英語版 毎週金曜 午前10:45~11:45ほか
1月3日
#48 Furniture: Shabby to Chic 「古家具に命を与えて」(D寺田昂平)※再放送
大量生産された安価な家具が普及する現代。栃木の緑豊かな山里に注目を集める古家具店がある。代表を務めるのは仁平透さん。日々、仕入れたボロボロの家具を仲間と共に修理し、新しい命を与えている。ただ単に新品同然にするのではなく、もとの風合いをいかし、一点もののヴィンテージ品に仕上げるのがこだわり。修理への情熱は私生活にも及んでいる。現在の住居は、廃墟同然だった家屋を隅々までメンテナンスし、趣深い空間へと生まれ変わらせた。一見、価値がないようなものから潜在的な魅力を引き出し、生き返らせる──それが仁平さんの仕事であり、生き様だ。
1月10日
#49 A Toast to Waste 「廃棄物を美酒に」 (D本多彗)※再放送
東京の小さな蒸留所でお酒を造る山口歩夢さん。原料として主に扱う酒粕は、米から日本酒を造ったあとに残る搾りかすだ。再利用しきれず廃棄されることも多い酒粕だが、フルーティーな香りが備わっており、蒸留させることで魅力的なジンに生まれ変わる。山口さんは他にも、コーヒーかすやカカオの皮などの食品廃棄物を蒸留させてきた。一般的に不要とされるものでも、香りさえ残っていればお酒の原料として申し分ないという。山口さんにとって蒸留とは、美酒を造ると同時に、廃棄物に価値をつける行為。世の中に無駄なものなんかない──それが彼の口癖だ。
1月17日
#50 Preserving the Seasons 「冬支度 受け継がれる保存の知恵」 (D渡辺裕太)※再放送
信州に住む横山タカ子さんは、郷土料理の研究家。毎年作物を瓶に詰めたり発酵させたりして、厳しい冬に備える。彼女の仕事を支えているのは、自然の恵みと先人たちの知恵だ。
1月24日
#51 Life Less Plastic 「プラごみの無い暮らし」 (D中嶋旭洋)※再放送
プラスチックごみを極力出さない生活を送っている高砂雅美さん。生ゴミは堆肥に混ぜて処分。洗い物に使うのはスポンジではなく布。小さな工夫を楽しめるからこそ、長続きしている。
1月31日
#71 Waste Fabric, New Material 「廃棄布を新素材に」
(D瀋志揚(パン・ジーアン)、 C伊藤加菜子)
岡山にある染色工場の社長、姫井明さんは毎日出てしまう規格外の布を大量に圧着させ、画期的な新素材を作った。特徴的な木目調の美しい模様を生かし、家具から財布などの小物に至るまで、様々な商品展開を行なっている。
※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。
※YouTubeのNHK WORLD JAPANのチャンネルでも「Zero Waste Life」は視聴いただけます。
リンクはこちら(外部サイト)
NHK BSでも放送があります。英語版 毎週金曜 午前4:30~4:45
1月 3日 休止
1月10日 #64 捨てないカフェ (D渡辺裕太) ※再放送
1月17日 #65 幸せをつなぐウェディングドレス (D本多彗) ※再放送
1月24日 #66 ラーメンスープで列車が走る (D浅野直広) ※再放送
1月31日 #67 厄介者の魚を宝に (D奥野崇) ※再放送
音楽
笠松泰洋
ナレーション
ガイ・ペリマン
音響効果
岡林亜実