Zero Waste Life 2025年8月
日本には昔からあらゆるものには大切な「命」があり、その「命を最後まで生かしきる」という思想が連綿と息づいてきた。それはモノの命を慈しむ、まさに「捨てない暮らし」そのもの。モノの命を慈しみながら暮らしを楽しむ人々の素晴らしさを世界に向けて伝える15分番組。
今月の放送(NHK WORLD-JAPAN )英語版 毎週金曜 日曜14:45~15:00ほか
8月3日
♯6 From Rubbish to Rainbow 染色でゴミを宝に (D小林陽子)※再放送
東京の下町に工房を構える小室真以人さんは、伝統的な染色法、草木染めの職人だ。彼の特徴は、染色の材料に果実の皮や刈り取られた枝など、通常は捨てられてしまうものを使うこと。しかし小室さんが手がけると、ゴミを使って染めたとは思えない美しい色に仕上がる。草木染めの手法は極めて原始的で、材料を鍋に入れ、色を煮出していく。煮ている間、彼は「どんな色が出てくるか」を想像して楽しむ。出てくる色は植物によって違い、同じ植物でも季節によって違うという。小室さんには口癖がある──「ゴミは宝物」。
8月10日
#7 Zako:Trash Fish is Treasure 雑魚:捨てられる魚をおいしい宝物に (D浅野直広)※再放送
湘南で和食店を営む甲斐昴成さんは、「雑魚」を中心に料理を提供している。雑魚とは、商品価値がほとんど無いとされる魚のこと。サイズが小さいため出荷基準に満たなかったり、食べる習慣が無かったりなどの理由から、その大半が捨てられている。こうした現実を目の当たりにした甲斐さんは、雑魚の美味しさを謳ったお店をオープン。アイゴやスミヤキといった聞きなれない魚のお刺身、ミノカサゴの唐揚げ。雑魚の知られざる美味しさに溢れた数々の料理は、瞬く間に評判となった。こうした甲斐さんの活動の影響もあり、雑魚の価値が見直され、漁港の市場で売り買いされるようになってきている。
8月17日
#9 Floral Incarnation 花の一生を見届ける (D小林陽子)※再放送
我々の生活に潤いを与え、冠婚葬祭に欠かせない花。だが、摘まれた花は悲しいさだめにある。ごく短い間だけ空間を彩るものの、すぐに廃棄されてしまう。河島春佳さんは、花の命を最大限活用することに情熱を傾けてきた。廃棄される花を買い取り、ドライフラワーにすることで、花に第二の役目を与える。ドライフラワーとしての役目を終えたときには、さらに加工して第三の役目を与えることもある。花に人生をまっとうさせてやりたいのだ。人間の都合で花を摘む以上、使い捨てにせず、朽ちるまで愛でる。そんな文化が根付いて欲しいというのが河島さんの願いだ。
8月24日
#10 Green Mountain Grandma 八ヶ岳のエコばあちゃん (D渡辺裕太)※再放送
日本の中央部に位置する八ヶ岳。なかはらけい子さんは、その山麓にひっそりと構えた一軒家で暮らしている。周辺に生えている草花を使って布を染め、ミツバチが分泌する蝋から食品を包むためのラップを作る。環境に優しい生活にこだわるなかはらさんは、衣服も使い古した布切れを再利用して作る。なかはらさんが作る染物や織物は素朴で味わい深く、地元住民が買いにくるほど人気を博している。ファンの一人は「作品に彼女の生き方が表れている」と言う。自然を愛し、モノを慈しむことで人生を謳歌するなかはらさん。彼女の周りでは、たくさんの命が巡っている
※この番組は放送終了後も、ビデオオンデマンド(外部サイト)でご覧いただけます。
※YouTubeのNHK WORLD JAPANのチャンネルでも「Zero Waste Life」は視聴いただけます。
リンクはこちら(外部サイト)
音楽
笠松泰洋
ナレーション
ガイ・ペリマン
音響効果
岡林亜実
ディレクター
藤原綾子
瀋志揚
岡崎光曜
中嶋旭洋
首藤凛
本多彗
間宮圭次郎
AD
小栁希美